会長メッセージ

地域を育み、大陸をつなぐ

ロータリーは世界をつなぐ

私はロータリーの成長に対するマーク・マローニー会長の強い意思を受け継いでいけることを誇りに思います。とはいえ、数字を掲げて成長を求めるようなことはしません。その理由はごく単純です。これまでの数字を掲げて成長を求めるたびに失敗に終わってきたからです。みなさんには、数字にこだわる代わりに、有機的かつ持続可能なかたちで、いかにしてロータリーを成長させることができるかを考えていただきたいと思います。いかに現役員を維持し、クラブにふさわしい新会員を募れるか。そして、立ちはだかる課題に立ち向かうため、いかに組織を強くできるか。ポリオ根絶の取り組みによって世界でロータリーヘの認識が高まっているこの絶好の機械に、行動を起こさなくてはなりません。

ロータリーはまた、興味深いかたちで進化しています。今では、アジアのロータリアン数が北米のその数を上回っています。しかし、この傾向が続けばリスクもあります。特に人口の高齢化が進む地域で、ロータリーが衰退し、老齢化しています。何もせずにこれまでの功績に満足していることはできません。デジタル革命が私たちにもたらした攻撃は予想をはるかに超えています。最近、ニューヨーク州ロチェスターでロータリアンの方々にお話しする機会がありました。コダックの元幹部もそこに出席していました。その方によると、写真がいずれデジタルに移行するだろうと皆わかっていたものの、実際にそれほど早くそれが起こるとは予期していなかったそうです。

業界の世界的リーダーだった同社は、わずか数年で倒産してしまいました。
時間は、私たちのためにスローダウンしてくれません。
とはいえ、私たちは急速な変化に負けません。この機会を捉えてロータリーを成長させ、より強く、適応力を高め、中核的価値観により沿ったロータリーとなるのです。
ロータリーは変わらなければなりませんし、必ず変わります。古き良きロータリーではなくなったと文句を言うロータリアン仲間がいたとしても、変わらなければならないのです。
ポール・ハリスが言ったように、時に革命的でなければなりません。そして、革命的であるべきとは、まさに今なのです。その一つの方法は、新クラブのモデルをつくり、ロータリー会員であることの意味を考え直すことです。新クラブの設計者は、若い人たちであるべきです。
多くの若者にとって、一緒に座って食事をすることは、一番良い例会の方法ではありません。この方法で100 年以上例会を開いてきたからといって、それが唯一の方法であるわけではありません。新しいアプローチに心を開かなければまりません。若い人たちのためにユニークな新クラブをつくることは、解決策の一部にすぎません。皆さんには、これを実施する力があります。これが成功するかどうかは、皆さん次第です。新しいロータリークラブの結成は、地区ガバナー特有の責務です。国際ロータリーが既に変化を受け人れた今、これらの新クラブを実現できるかどうかは皆さん
にかかっています。

ところで、若い世代の声を聞き、既存クラブへの入会を若い世代にとってより魅力的なものとする一つの方法は、環境にもっと焦点を当てることです。オーストラリアの山火事など、近年の災害により、断固たる行動を取ることの重要性が浮き彫りとなって今す。過去3 代の会長は、環境保全にロータリーがより力を入れるべきであることを強く主張しました。できることは数多くあります。プラスチックの消費を減らすこと、自宅やオフィスの冷房や暖房を効かせすぎないこと、ドイツの高速道路で飛ばしすぎないこと……。
ロータリーは奉仕プロジェクトに環境保護や持続可能性を既に組み入れていますが、これらの問題をもっと優先させなければなりません。若い人たちは、私たちから行動へのインスピレーションをもらうことを待ち望んでいます。
今の若者は、奉仕を楽しみ、活動できでありたいと望んでいます。この傾向をローターアクトに見ることができます。ローターアクターは今や、私たちと同じく、国際ロータリーの一部です。作為的な年齢制限は廃止されました。自分たちに一番合うロータリーの体験はどのようなものかを、ロータリーアクター自らに決めてもらおうではありませんか。ローターアクターと一緒に活動したことのある方なら、この若者たちが聡明で、活発で、行動力のある人たちであるこ
とを知っているはずです。ローターアクターは、テンポが早く、より活動的で、せっかちです。この「せっかち」は長所です。今すぐに結果を出したいから、物事を早く成し遂げるのに必要な仕事に取り組もうとします。
課題に立ち向かい、ローターアクターや若い職業人にロータリーの扉を開こうではありませんか。
一方で、ロータリアンとなるのにふさわしくない年齢はないということも覚えて起きましょう。
年齢にかかわらず、誰でも歓迎します。どの年齢の人も、与えることのできる大切な何かをもっています。若いロータリアンに働きかけながらも、ほかの年齢の人を忘れてはなりません。慎重に新会員を選び、それぞれの新会員に合っ
たクラブに入会できるようにしていかなければなりません。クラブが新会員の期待に沿う必要があります。十分に時間をかけてこれに真剣に取り組むことは、生涯続いていく新しい友人を選ぶことと同じです。
すべての新ロータリアンに、生涯のロータリアンになってもらいたい、ロータリーに梢極的に参加する友人になってもらいたいと、私たちは考えています。
どの新会員も、私たちを少しだけ変えてくれます。新しい視野と経験をもたらしてくれます。このような絶え間ない変化を受け入れる必要があります。新会員から学び、その経験と知識を生かすことで、私たちはより強くなります。だからこそ、クラブに、そしてリーダーの役職に、もっと多くの女性が必要なのです。新しい人と出会い、その人たちにロータリーを楽しんでもらうことは、私たち自身にとっても楽しみであることを忘れてはなりません。私たちは、互いのつきあいを楽しみながら、さまざまな活動で充実した時間を過ごしています。このような楽しい経験を生かす必要があります。

楽しむための一番の方法は、この協議会や国際大会のような大勢の会議であれ、奉仕プロジェクトや例会であれ、皆が集まること(together) です。集まれば、より活動的になることができます。
ロータリーのビジョン声明の最初の一語がこの言菓(together) であることも、驚くことではありません。
「Together, we see a world where people unite and take action to create lasting change-across the globe, in our communities, and in ourselves.(私たちは、世界で、地域社会で、そして自分自身の中で、持続可能な良い変化を生むために、人びとが手を取り合って行動する世界を目指しています)」ビジョン声明は、ロータリーの新しい行動計画の土台を成すものです。その実施において、皆さんは極めて重要な役割を担っています。この新しい行動計画の要は、ロータリーの成長であり、デジタル時代にロータリーが適応する一助となることです。この行動計画を実行に移す時が、今やってきました。今後5 年間、この計画により、ロータリーがより大きなインパクトをもたらし、参加者の基盤を広げ、参加者の積極的なかかわりを促し、適応力を高めていくことになります。すべてのロータリークラブに、少なくとも年に1 度、戦略立案会議を開いていただきたいと思います。各クラブが、5 年後にどのようなクラブになりたいかを自問し、クラブが会員にもたらす価値がどのようなものか認識すべきです。ロータリーが唯一無二で、世界とシェアするに値する存在であるのはなぜでしょうか。皆さんご自身や奉仕の受益者に、どのような比類のない機会への扉を開くことができるでしょうか。

私たちは人との交わりを楽しみます。世界のどこへ行こうと、出会ったロータリアンと親友になり、もっと一緒に時間を過ごしたいと感じます。私たちは、異なる環境、異なる世代、言葉、文化をもっています。ロータリーでの過ごし方でさえ、国によって、またクラブによって異なります。この多様性こそが、ロータリーを素睛らしいものとしているのです。私たちは、共有する価値観の下に集まっています。私たちは皆、固い友情でつなが理、「四つのテスト」を信じています。ロータリーを経験する方法はいたるところで異なりますが、「四つのテスト」は誰にとっても同じです。
ロータリーは、奉仕プロジェクトを実施し、やり遂げる機会を与えてくれます。これらは、意義があり、持続可能なプロジェクトです。ロータリーでは、寄付だけでなく、奉仕活動も行い、その奉仕がもたらす持続可能なインパクトをこのH で見ることができます。これは、他にない機会です。
ロータリーは、奉仕のアイデアを実行に移すために、世界を旅する機会を私たちの多くに与えてきました。
ロータリーはまた、リーダーシップの機会も与えてくれます。私たちは皆、新しい大きな責務を引き受けました。これは、自分自身の栄光のためでなく、ロータリーのために、ロータリーのネットワークを強化する機会です。人々のためにリーダーシップヘの道を切り開いてあげることこそ、真のロータリーの理念であり、そうすることで皆さん自身がより効果的なリーダーとなります。

ホルガー・クナーク
2020-21 年度国際ロータリー会長